テレビで見かけて、かなり引っかかった少年がいます。

「タロウのバカ」で俳優デビューしたYOSHI(ヨシ)くんです。

菅田将暉さんや仲野太賀さんという若手の実力ある俳優の中にあって、強烈な存在感を放っていましたが、世の中の評価は「子供すぎ」「生意気だ」とアンチな意見も多いよう。

でも、菅田将暉さんはある特別の感情があるようで…。

今回は、モデルに加え、俳優としての活動もスタートさせたYOSHIくんに迫ってみます。

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モデルのYOSHIとは?

中学生の頃から、モデルとして活躍してきたYOSHI(ヨシ)くんは2013年2月26日生まれの16歳。(2019年9月現在)

過去のインタビューによると、ニックネームは「佐々木」か「ヨシ」、本名はヨシズミと答えていることから「佐々木ヨシズミ」が本名と思われます。

10代にして世界を視野に活動していくことを意識しているようで「ズミ」は外国の人が発音しにくいからと「YOSHI」という名で活動しています。

実は、父親が香港出身、母親は日本人というハーフ
 広島の尾道で3歳まで過ごし、その後は東京で暮らしているようです。

お父さんは家具で有名なオカムラでインテリアデザイナーをしていて、お母さんは繊維メーカーで働くキャリアウーマンとのこと。

そんな家庭に育ったYOSHIくんですが、世界的なストリートファッションのブランド「OFF-WHITE」のパーティーに行った時に、そのブランドを立ち上げたデザイナー、ヴァージル・アブローと出会ったことがきっかけで、インスタのフォロワーが爆発的に増え、その活躍が結果として俳優デビューにもつながったようです。

評価は子供とか生意気とか結構キツめ?

そんなYOSHIくんですが、ネットでの評価はいろいろですね…。

初主演の映画「タロウのバカ」では、10歳年上の先輩俳優、菅田将暉さんや仲野太賀さんをまるで「タメ扱い」しているところが、確かに生意気にも見えます。

それに、顔がどうしても童顔なので、インスタで見せるファッションも年齢とのギャップが気になるのも仕方ない評価です。

そんな見た目の幼さを補うように、すべての表情がアゴを突き出して挑戦的なのも、子供っぽさを助長するのかもしれませんね。

しかし、今回、映画で共演を果たした菅田将暉さんは違う評価を持っているようです。

 

菅田将暉との因果な関係

今回、「タロウのバカ」が上演となったのは9月6日。主演のYOSHIさんは16歳という若さです。

そして、なんと菅田将暉さんがデビューしたのがちょうど10年前の2009年9月6日。この日から「仮面ライダーW」がテレビ放映され、菅田将暉さんは「史上初の2人で1人の仮面ライダー」を桐山漣さんと演じたのでした。

そしてこの時、菅田将暉さんも16歳。

そうなんです。同じ年齢の同じ日に主演作が封切られるという、何ともレアな一致を果たした二人が共演した作品だったんですね。

そんなことも原因の一つなのか、菅田将暉さんはYOSHIさんを終始温かい目で見守りながら、封切の日を迎えられたようです。

YOSHIくんがタロウを等身大で演じ、でもそれは決してただの生意気やわがままではなく、YOSHIくん自身がつらぬく一本の芯を尊敬しているように感じますね。YOSHIくんが抱く社会や世界への思い、そしてその才能に10歳年上ながらもしっかりと敬意をはらっている、そんな印象です。

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YOSHIが抜擢された理由

300人の候補の中から、すぱっとYOSHIくんを主役に抜擢したのが「タロウのバカ」の大森監督です。

インスタでYOSHIくんの発信を発見し、タロウは彼以外にいないと感じたと言います。

中学生と言えば、社会にいろんな不安や疑問を感じつつも、強く反発をすることもできず、そのギャップに悶々とする時期でもあります。

中学生ながら、そんな気持ちを跳ね除け超えて行こうとする姿をYOSHIくんに見た大森監督ですが、その父親ともいえる世代。

「日日是好日」などの作品をこれまで送り出した大森監督ですが、実はこの監督のオリジナル作品をずっと温めてきたらしく、今回、YOSHIくんという存在に出会えたことで日の目を見たと言います。

実は、私も大森監督と同じ年で、息子が高校2年生。
平々凡々な我が家とちがい、社会に「何かが違う!!」と斜に挑む姿勢は、何ともアーティスティックでかっこいいですね。

子育て中の親の立場で言うと、行儀よくとか、大人には敬意を払ってなど、当たり前のことを考えがちですが、10代の体も心も未完成な少年が、その曇りない眼で社会を見、さまざまな感情をふるいたたせることは、ごく自然なんですよね。

YOSHIくんのご両親も、最初は台本の強烈さに反対をされたそうですが、「今」というものに食らいついていく必死さを息子に感じた、その本気度を評価されたのではないかと思います。

大森監督が放つ言葉が印象的です。

「日本はどんどん異物排除社会になっている。同じ匂いの人と、同じ場所にいようとする。考えが違うことを許さない。わからないものは排除する。ほぼファシズムに近い。危ないよ」

確かにその通りです。

ここから過去の醜い戦争も生まれ、今の世のドライな社会が蔓延していると私も思っています。
賛否両論、フィフティフィフティ、大いに結構。

自分の評価にさえ、笑ってそんなことが言えるたくましい16歳。
これからの成長が楽しみでしかありませんね。

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