大坂なおみさんが、ウエスタン・アンド・サザン・オープンの準決勝を棄権することとなりました。

その理由は、アメリカ・ウィスコンシン州で起こった黒人銃撃事件への問題提起。

自分のテニスを見てもらうよりも、もっと大事なことがあるとのメッセージを出しています。

いったい、この事件とは、どんなものだったのでしょう。
今回は、ウィスコンシン州での黒人銃撃事件について迫ってみます。

※8月28日追記
大坂なおみさんが棄権を撤回されましたね。大会側が試合のすべてを1日延期することにしたのを受け、その求めに応じられたようです。

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大坂なおみが大事な大会を棄権

女子テニスの大坂なおみ選手が、ウエスタン・アンド・サザン・オープンの準決勝を棄権することが発表されました。

新型コロナ禍で、数々の大会が中止となり、やっと再開されて出場できたこの大会。準々決勝もランキングで20位のコンタベイト選手に、何とか逆転勝利し、つかんだ準決勝進出の切符でした。

そんなチャンスを棄権してまで、訴えたかったことが大坂なおみさんにはあったのです。

大坂なおみが棄権した理由

大坂なおみさんの大会棄権の理由となったのが、ウィスコンシン州での黒人銃撃事件

事件は8月23日、アメリカ・ウィスコンシン州のケノーシャという町で起こりました。

夕方5時過ぎ、ケノーシャ警察に家庭内トラブルの通報があり、警察は現場に向かいます。

詳細は明らかにされていませんが、警察官によって銃撃を受けたのはジェイコブ・ブレークさん。重体の状態で病院に運ばれたブレークさんですが、現在は命は取り留めたそうです。

しかし、脊髄を損傷し、今後の麻痺は避けられないとか。
至近距離からの被弾ですし、歩行できる可能性も五分五分ということですので、いかに悲惨な状況であったかが伺えます。

しかも、ブレークさんに向けられた銃弾は、何と7発
その現場を近所に住む男性が撮影していたそうですが、車に乗り込むブレークのシャツを警官が引っ張り、その後7発の銃声が響いたと言います。

どのような状況で発砲がになされたか、そこに発砲せざるを得ない理由があったのかは、明らかにされていません。

加えて、車内には、ジェイコブ・ブレークさんの幼い子どもたちが3人乗っていたと言います。

そもそも、ジェイコブ・ブレークさんは、女性同士のトラブルを制しようとしている最中であったと言われています。そして通報が入り、警察官が現場に駆けつけたのだとしたら、なぜブレークさんは打たれなければならなかったのか。

しかし、ここにもう一つ、大きな事実があります。
ブレークさんには「性的暴行と家庭内暴力」で逮捕状が出ていたのです。

そのことを現場に駆けつけた警官が知っていたのかどうかは、まだ公表されていません。

もしそうだったとしても、7発もの銃弾を向ける必要はなかったように思います。

明らかになっていることが少ないだけに、何とも言えませんが、このことを理由に、大坂なおみさんは大会の準決勝を棄権されています。

大坂なおみの思いとは

大坂なおみさんは、Twitterで大切な試合への棄権を発表されました。
全米前哨戦とも言われるこの大会をボイコットすることは、大変大きな判断だったと思います。

「アスリートである前に黒人女性」
この言葉は、とても深いですね。

人権がしっかりと保たれた中でこそ、スポーツの世界が成り立つと思います。

アメリカでは、8月26日に予定されていたNBAの全試合がすべて延期とされました。
これは、人種に関係なく、アスリートが最も大切なものとしている試合自体を放棄することで、社会にその思いを訴えたものでしょう。

大坂なおみさんの今回の行動が、一人でも多くの人の心を動かし、行動を変えてくれることを願うばかりです。

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まとめ

アメリカ・ウィスコンシン州での黒人銃撃事件を受け、大坂なおみさんがウエスタン・アンド・サザン・オープンの準決勝を棄権しました。

今後、トランプ政権をめぐるアメリカの動きが気になるところです。

それと同時に、筆者としては、父親が銃弾に倒れるところを目の前で目撃せざるを得なかった子どもたちのことが心配でなりません。

この幼い子どもたちのうち、一人は、この日が誕生日だったそうです。
一部では、ブレークさんがナイフを持っていたのではないかという報道もありますが、それも明らかにはなっていません。銃を向ける警官から、わが子を守ろうとしたとも考えられるのではないでしょうか。

逮捕状も出ていたことを考えると、続く黒人銃撃について誰より敏感に黒人差別を感じていたに違いないブレークさん。とっさに子どもを守るような行動に出たことも十分に有りえます。

そして、それが逆に警官に引き金をひかせることになったのかもしれません。

どこまで、警察から事実が語られるのかはわかりませんが、政治や人種差別が、スポーツ界はもとより、一般社会にまで影を落としていることは明らかですね。

ブレークさんも、そして子どもたちも、一日も早く元気になってくれることを願うばかりです。

※8月28日追記
NBAに続き、メジャーリーグも同じようなボイコットに出て、アメリカ全体が抗議の行動に出ています。大坂選手は、大会側からの要望を受け、出場に応じたようですが、今後、アメリカ国民がどのような行動に出るのか、目が離せません。

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