毎年のように、村上春樹さんが賞を取れるかどうかが話題となる「ノーベル文学賞」。
昨年はカズオ・イシグロさんが受賞したことで、長崎に住む私にとってはよい知らせでしたが、今年のノーベル文学賞の選考自体が見送られることになったことが発表されました。

どうしてこんな事態になったのか。その理由が何ともゲスで最悪なものでした。

今回の騒動の裏にあったのは、スウェーデンアカデミーの体質の闇。今後、どのようになっていくのでしょうか。

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ノーベル文学賞見送りの理由

今回のノーベル文学賞の選考が見送られることが発表されました。

このニュースを聞いて、一瞬
「該当者なしだったの?」
と思ったりしましたが、何でも2018、2019年の2年分を、来年2019年に発表するのだとか。

何とも不自然なやり方ですが、どうしてこういう事態になったのでしょうか。

その理由は、セクハラなどが絡む事件を関係者が起こしており、その処分についてメンバー内の内紛が起こっていること、そしてその事件の当事者が事前に受賞者についての情報をもらしていたことなどがあげられています。

これだけの問題が起こり、その処分をめぐって内紛が起こり、事態の収拾にまだまだ時間がかかるということが、今回の理由のようです。

スウェーデンアカデミー会員の誰なのか

今回の騒動の元凶となっているのが誰なのか、一番気になるところですね。

元々、ノーベル賞の選考委員会も兼ねるスウェーデンアカデミーの会員は18人。
「終身会員」つまり亡くなるまでずっと会員であるというのが大原則です。

その18人の会員の1人、詩人で作家のカタリーナ・フロステンさんの夫で写真家であり劇場芸術監督であるジャン・クロード・アルノー氏が、今回のセクハラ騒動の張本人だと言われています。

妻がアカデミーの会員であるだけでなく、アルノー氏が運営する文学アカデミーに、スウェーデンアカデミーから援助がされているという双方の関係のようです。

そんな彼がアカデミー会員の妻や娘、そして職員にまで性的な関係を迫っていたそうです。

その力を利用して、口止めまでしていたと言いますから、何とも腹立たしい限りですが、今回、この事態をうやむやにしてしまおうとした側としっかりと処分しようとした改革派が真っ向から対立しているのだとか。

本来、アカデミーとして意思決定をするのには、18人のうち少なくとも12人の出席が必要なところですが、現在11人しか実動メンバーがいなくなってしまったということで、かなりの緊急事態であることが言えます。

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スウェーデンをあげての大問題なのでは?

スウェーデンアカデミーは、その名前からもわかるとおり、国立のアカデミーです。

そのテコ入れをはかるには、国王であるグスタフ国王の命が必要なのかもしれません。

ノーベル賞と言えば、世界的に名高い賞であることは言うまでもないですし、日本においても誰もが憧れる賞でもあります。

スウェーデン国内でも、ある意味「神格化」している面があり、触らぬ神に祟りなしとでもいうような風潮があるよう。ましてや、国王と言えど、改革に手をつけるなどということはおいそれとはできない状況だと思います。

今回の騒動も、セクハラが長きに渡って行われてきたということで、時効を迎えていたり、証拠不十分であったりと、事件としてもうやむやのままに終わっているのだとか。

この事態を厳しく見たメンバーが、結局アカデミーメンバーを辞めるといった結果になっていますが、アカデミー自体が積極的に動くのかどうかは不明のまま。しかし、遠く離れた日本でもこれだけ騒がれていることを考えると、選考委員のあり方自体が考え直されることもあるかもしれませんね。

me too運動なども世界的に広がりを見せ、セクハラへの厳しい声が叫ばれる中、スウェーデンアカデミーがどのように動くのか、厳しい目で見守っていかなければならないと思います。

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